ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.1345

はしご酒(Aくんのアトリエ) その七百と七十六

「スパイ ボウシ ホウアン?」

 「緊急事態宣言と同じモノだと思い込んでいるピーポーが、かなりいるんじゃないのか、と、思えてならない、あの緊急事態条項と同じぐらいのダークさ、怪しさ、ヤバさ、を、秘めた、この、スパイ防止法案、って、どう思う?」

 こ、この、スパイ、防止、法案?

 唐突に「どう思う?」と言われても、返答に思いっ切り戸惑う。

 もちろん聞いたことはある。聞いたことはあるが、恥ずかしながら詳しくは存じ上げない。

 「国家機密に係わるスパイ行為等の防止に関する法律案」

 な、なが(長)っ。

 「略して『スパイ防止法案』。国家権力の悪しき暴走の歯止めを担っている憲法の中に、知らぬ間に、シレッと入れ込もうとしている、あの、緊急事態条項の兄弟分と言ってもいい。コッチの方も、一般ピーポーたちがナンのコトやらサッパリの内に、同じように、シレッと通してしまおうと画策しているんだから、毎度のことながら恐れ入るよ、まったく」

 ナンのコトやらサッパリの内に、か~。

 たしかに。たとえば、ナニがスパイなのか、スパイとはナンだ、の、その定義みたいなモノが、非常に曖昧なような気はする。

 「あの人たちが考えている、想定している、スパイ、って、いったい、ナンなのでしょう」

 「そう、ソレ。ソレなんだよな。つまり、場合によっては国家権力の腐敗に切り込んだ、腐敗を暴いた、メディアが、ジャーナリストたちが、スパイ扱いされてしまう、なんてことも」

 ま、まさか。

 「国家の安寧秩序のためなら、ナンだってアリ、ということですか」

 「ソレが緊急事態下であれば尚の事。個人のコトなんかより、国家。ナニよりも国家を第一に考えられないような国民は国民であらず。非国民以外のナニモノでもない」

 な、な、なんということを。

 「そもそもだ。ネーミングからしてナゾめいているわけで、『煙(ケム)に巻く』感に満ち満ちている」

 たしかに、兄弟共々、煙に巻かれまくっていて、肝心要の中身が見え辛く、わかり辛い。

 「ソレって、なんだか、使い勝手の悪さなどには一切触れず、言葉巧みに怪しげな商品を売り付けようとしているアコギな詐欺師の手口に酷似していますよね」

 「煙に巻きつつ言葉巧みに売り付ける詐欺師の手口、ね~。なるほど、なるほどな。君の言う通り、まさに詐欺師の手口そのもの、か、も。あっ」

 んっ!?

 「そういえば、例のあの国際的ビッグイベントにしても、というか、事務局だな、そう、事務局。その事務局にしても、詐欺師とまでは言わないが、申し訳ないけれどソレ系の臭いを、体質を、感じてしまう。だから、都合の悪いコトはオープンにしたがらない」

 それ、私も大いに感じる。

 「ですから、どうしても、一部のメディアやジャーナリストたちに対する喧嘩腰というか高圧的というか排他的というか、そんな感じの姿勢がソコカシコで目に付いてしまいますよね」

 「よくねえよな、そういうのって。そうした稚拙な姿勢が、対応が、更に一層、分断を助長するわけだから」

 本当だ。

 おっしゃる通り、分断しか生まない。

 「でも、ナゼ、アレもコレも全て丸ごとオープンにして、ダメなところもあるけれど、ソレでもコレは、いいんです、いいモノなんです。と、言えないのでしょう。全てをさらけ出して、そして、皆で考えて、より良いモノにしていけばいいのに。ホント不思議なコトばかり」

 「だよな~。と、いうことはだ。よほど、オープンにできない、ナニか、トンでもなく致命的な隠し事がある、ってコトなのかもな」

 ん~、なるほど。

 だから、オープンになんか絶対にできないのか。

 だから、ナニがナンでも隠して、誤魔化して、時折、反対分子に対して必要以上に喧嘩腰の、高圧的な、排他的な、攻撃やら難癖やらなどを効果的に交えたりもしつつ、通してしまう、やってしまう、しか、できないのか。(つづく)