はしご酒(Aくんのアトリエ) その七百と五十七
「ソコニ アイ ハ アルンカ?」
「古今東西、様々な、アレやコレやのコマーシャル、あったわけだけれど」
ん?
「一番、好きな、というか、印象に残っている、というか。そんなコマーシャル、CM(シーエム)、あるかい」
印象に残っている、コマーシャル?、シーエム?
ん~。
暫し、アレやコレや思い起こしてはみる。
が、「コレだ!」と言い切れるようなコマーシャルとなると、なかなか難しい。
「ブンチャッチャブンチャッチャのモスクワの味やら、ん~んマンダムやら、オ~も~れつ~!やら、といった、懐かしの、古き良き時代のアレやらコレやらしか思い出せないんだが、ナゼか、一つだけ、妙に頭の中の片隅にへばり付いたままの、この今のコマーシャルがあるんだよな」
ほ~。
その、Aくんの脳内にへばり付いたままだというコマーシャル、いったい、ナンだろう。とりあえず、アレやコレやと自分なりに思い巡らしてはみたけれど、ほとんど、某国民営テレビ局しか見なくなってしまっているだけに、さらに難しい。
「そこに、愛は、あるんか」
えっ。
あ、あ~、アレか。
「ソレなら存じています」
「消費者金融のコマーシャルゆえ、さすがに違和感は拭い切れないんだけれど、無意識の内に出来る限り好意的に解釈して、『ソレでもソコに愛はなければならない。そんな消費者金融を目指しておりますので、おこしやす~』と語り掛けてくれているに違いない、みたいな、そんな感じで、へばり付いているんだろうな、きっと」
ん~。
そこに愛はあるんか、か~。
もちろん、ソコに愛はあってほしいけれど、ドウなのだろう。
「しかし、しかしだ」
ん?
「そんな『そこに愛はあるんか』ならいいんだけれど、このところのあの人たちの所業を見ていると、その『あ』と『い』の間に『苦しみ』の、『苦々しい』の、『く』が、入り込んでしまっているような気がしてならないんだよな」
「あ」と「い」との間に「苦々しい」の「く」?
「そこに、悪意は、あるんか」
あくい?、あく、あ、あ~、悪、意。そこに悪意はあるんか、か~。
「そうは思いたくありませんが、悪意、ありそうですよね」
「ありそうだよな~」
脱税やら収賄やら虚偽やら隠蔽やら、金銭欲やら、出世欲やら、権力欲やら。
ふ~。
本当に、そこに、そこに悪意は、ないんか?
(つづく)