ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.1324

はしご酒(Aくんのアトリエ) その七百と五十五

「ホネノズイ マデ スケアモンガー!」

 「scaremonger(スケアモンガー)!」

 ん?

 「命の重さを感じ取れないからこそ、骨の髄までscaremonger なんだろうな」

 ほ、骨の髄まで、スケアモンガー?

 「デマの、誹謗中傷の、限りを尽くして気に入らないヤツを叩き潰す」

 「ソレが、スケアモンガー、ですか」

 「そう、scaremonger 。『scare』は恐怖、不安。『monger 』は商人。つまり、恐怖を、不安を、売る商人」

 うわっ。

 ま、まさに、誹謗中傷ビジネス。

 「英語絡みのそこかしこでは、ズッと、ズッと昔から、そういったデマが、誹謗中傷が、そして、そういったモノたちのオキテ破りの拡散が、ビジネスになり得ると思われていたんだろう」

 カネ(金)になるなら、ビジネスライクにオキテ破りの拡散、と、いうことか。

 しかし。

 「ですが、そのような、ドコからドウ見てもデマとしか思えないような代物が、ナゼ、多くのピーポーたちの心を掴むのか。ナゼ、拡散していくのか。ソコのところのメカニズムが、どうしても、私には、ナゾで、不思議で、ならないのです」

 「ソレは、つまり、ナゼ、そんなモノに共感できるのか、って、ことだよな」

 共感?、共感、か~。

 「そう、そうです。普通の神経の、常識的な思考の、持ち主であるなら、そんなモノに共感なんてできないでしょ」

 すると、短い沈黙のあと、Aくん、ユルリと、ボソリと。

 「美味いモノに飛び付く」

 んん?、美味いモノ?

 「しかも、毒のある美味さ」

 んんん?、毒のある?

 「ソコに毒があればあるほど、そのダークな美味さに魅せられ、飛び付く。虜(トリコ)になり、群がる」

 んんんん~、つまり。

 「毒塗(マミ)れの美味さ、ソレが、デマであり誹謗中傷であると、いうことですか」

 「そう、その通り。もちろん、デマなどとは思っていない、誹謗中傷とも思っていない、正真正銘の正義の鉄槌だと信じて疑わないピーポーもいるんだろうけれど。ま、ソレはソレで、充分に、問題アリアリなんだけどね」

 んんんんん~、つまり、つまり。

 「美味そう、面白そう、だけで、そんな毒塗れを応援したくなる、拡散したくなる、ピーポーたちも、結構、いる、と」

 「いうことだ。そして、そんなその手の『面白そう』系と、先ほどの妄信的な『正義の鉄槌』系とがタッグを組んで、無節操に、一気にデマやら誹謗中傷やらを拡散させていく」

 タッグを組んで、一気に、か~。

 ・・・、ふ~。

 痛め付けることを、叩き潰すことを、苦しむ姿を見ることを、面白がることができる、骨の髄までスケアモンガー。トンでもなく、心底、恐るべし。(つづく)

 

 

追記

 「It's always darkest before the dawn」(『マクベス』より)