はしご酒(Aくんのアトリエ) その七百と二十七
「ウソツキガ オオイ!」
「大切な人を守るために、不本意ながらも致し方なしに嘘をつかねばならなかった、なんてコトもあるかもしれないが、大抵は、嘘なんてモノは、所詮、己を守るためのオキテ破りのツールに過ぎない」
嘘は、己を守るためのツール、か~。
守るに値する「己」ならば、まだしも、その己がダークに塗(マミ)れまくっているような己だとしたら、嘘ほど罪深いモノはないかもしれない。
「『嘘つきは政治家と弁護士の始まり』などと自虐的っぽく毒突いていた政治家上がりのコメンテーターがいたが、ホント、マジ、政治家、政治関係者、嘘つきが多いよな」
嘘つきは泥棒の始まり、ならぬ、政治家と弁護士の始まり、か~。
もちろん、皆が皆というわけではない。素晴らしい政治家も弁護士もいる。しかし、Aくんのその指摘通り、なんとなく、嘘つきっぽい政治家やら弁護士やらが多いような気がするのもまた事実。
と、なると、嘘つきな政治家は泥棒の始まり、ということになるか。例のあの裏金やら脱税やらもソレ系の話なのかも。つまり、嘘ばかりついているから裏金もつくるし脱税もする。トにもカクにも、ナンにせよ、トンでもなく情けない話であることだけは間違いなさそうだ。
「ナゼ、後ですぐにバレるようなその場しのぎの嘘をつくかな~」
たしかに、ナゼ、そんな嘘をつくのだろう。しかも、それなりの立場にある者がだ。不思議だ。
「そんな嘘でもつかなければならないから、か、どんな嘘でも大した問題にはならんだろ、か」
ん~、大した問題にはならんだろ、か~。
「どうせ、忘れっぽい国民性ゆえ、時が経てば皆の記憶から消えてなくなってくれるだろ、と、思っているのでしょうね。だから、とりあえず、その場しのぎの嘘をつく」
「飽き性というか淡白というか、基本、ダイレクトに自分に関わってこないコトはドウでもいい、っていうか。ならば、やっぱり、とりあえず、その場しのぎの嘘もまた良し。と、いうことになるか」
「悔しいですが、なりますね。その場がしのげるのですから」
「その場がしのげるコトに命を懸ける、その場しのぎ政治家、政治屋。が、コレからも堂々と、胸を張って蔓延(ハビコ)る、か」
(つづく)