ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.1295

はしご酒(Aくんのアトリエ) その七百と二十六

「アンテイ トイウ ナノ フアンテイ」

 「圧倒的なチカラを握る権力者たちが考える安定って、なんか、トンでもなく怪しいよな」、とAくん。

 安定が、怪しい?

 このタイミングでのその発言。おそらく、議席数のことか。

 「圧倒的な議席数さえあれば、いかなる声もシャットアウトして強行できる。という意味では、安定してはいますよね。でも、その安定って、私たち自身の安定とは、ほとんど、関係がないような気がします」、と私。

 「関係がない、どころか、あの人たちはその安定に胡座(アグラ)をかいて、調子に乗って、傲慢になって、僕たちを、僕たちの生活を、この世の中を、不安定に陥らせる。つまり、安定という名の不安定もまたあり得る、ということだ」

 安定という名の、不安定、か~。

 ちょっとヤヤこしくてわかり辛いけれど、たしかに、安定を求めて圧倒的なチカラを強引に握った権力者たちが繰り広げる、生み落とす、不安定。を、私たちは、今、この星のそこかしこで幾つも垣間見ることができる。

 「様々な声を真摯に受け止めて、丁寧に説明をしていく、とか、協議を重ねていく、とか。なんとなく謙虚に聞こえなくもない言葉を幾度となく耳にしてきたが、結局は、アホの、権力者の、一つ覚えのように、強行採決。そのおかげで、この国のピーポーたちの中の、分断が、切り捨てが、更に一層、思いっ切り助長されてきたわけだろ」

 分断、切り捨て、か~。

 それどころか、もう、「敵対」の様相さえ呈してきたような気がする。

 そう、敵対。

 敵対する世の中ほど不安定な世の中はない。

 「当人たちは不安定と思うかもしれないが、あの人たちが思う『不安定』の中でこそ、心を、魂を、頭を、英知を、フル稼働して、真っ当な『安定』を目指すことができるんじゃねえのか、って、思うわけよ、僕は」

 同感。

 メチャクチャ、賛成。

 Aくんのその「不安定の中でこそ安定を目指せる」理論に、清き一票を投じよう。(つづく)