ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.1293

はしご酒(Aくんのアトリエ) その七百と二十四

「ウラガネ ウラガネ ト イワレテ?」

 「それにしても、あの人たちってさ~」

 ん?

 「余程の人間でないと、やっぱり、そう簡単には反省なんかできやしない、って、ことだよな」

 んん?

 「ま、余程の人間は、そう簡単には、反省しなければならないような愚かなコトなんて、しないわけだけどさ」

 ん、ん~、たしかに、余程の人間は、愚かなコトなんか、まず、しない。

 「そんな、『余程』ではない人間に限って、仲間内の間で、ついポロッと本音が出てしまう。その本音こそがその人間の本性。けっして言い損ないでも言い間違いでもなく、その人間そのものだということだ」

 ん、あっ、そういえば、例のあの「裏金」で、というか、「脱税」で、ソレなりに所属政党から処分を受けた(とは言っても法的には、上級国民ならではの無罪放免、ってヤツなのだけれど)政治家が、ついポロッと「裏金、裏金と言われて、心痛んでいる」などと呑気に宣っていた、という。

 申し訳ないが、私なら、そんな、あたかも被害者であるかのようなモノ言いはしない。そもそも、しでかしてしまったトンでもないコトをウヤムヤにしたまま選挙に臨んだりもしない。

 「そして、仲間内に支持されれば、当選さえすれば、いわゆる『禊(ミソギ)が済んだ』と考えがちな、あの、余程ではない人たち。あの人たちは、まるで、選挙が司法の場であるかのように、マジで思い込んでいる。ホント、恐れ入るよ、まったく」

 たしかに、恐れ入る。

 反省なんかしなくていい。場合によっては、とりあえず、戦略としての「している」フリだけで、充分。もちろん、涙なんかも効果的だ。カネ(金)にモノを言わせまくった聖なる選挙が、支持者たちによって齎(モタラ)された当選が、汚れまくった己の禊を済ませてくれる。ありがたや~、ありがたや~。

 おそらく、そんな感じなんだろうな。(つづく)