はしご酒(Aくんのアトリエ) その七百と壱
「ナンデモ ハンタイ バカリシテ」
「トンでもなく超圧倒的な権力者であるなら、権力に刃向かうそんなヤツらは皆、しょっ引いてしまえばいいんだろうけれど」
ん?
単なる唐突感だけではない、なんだか物騒なプロローグ。
「幸いにも、いや、あの人たちにとっては不運にも、ソコまでの圧倒的な権力者じゃないものだから、気に入らないヤツらをしょっ引くことなどできるはずもなく、その代わりと言っちゃ~なんだが、どうしても宣いがちな常套句(ジョウトウク)ってヤツがあったりする」
んん?
宣いがちな、常套句?
「ソレが、コレ」
んんん?
「なんでも反対ばかりして」
あ、あ~。
その「なんでも反対ばかりして」。おっしゃる通り、あの人たちの常套句、かもしれない。そしてあの人たちは、まず、反対ばかりされる私たちの案に致命的な問題があるかもしれないな、などとは絶対に思わない。
「だけど、この常套句を反撃用ツールとして活用している人たちって、たとえば、自分たちが下野(ゲヤ)した場合、ほぼ間違いなくナンでもカンでも反対する」
あっ。
そういえば、以前、アレほど「なんでも反対ばかりして」などとエラそうに宣っていたににもかかわらず、自分たちが野党側に下った途端、手当たり次第に審議拒否、採決拒否、しておられたような気がする。
「つまり、所詮、その程度の稚拙な常套句に過ぎないということだ」
なるほど。
「テレビなどでも、よく、似非(エセ)コメンテーターたちまでもが『野党ってナンでもカンでも反対ばかりしているイメージ』などと宣っていますよね」
「宣っているよな~。ま、似非だから仕方がないっちゃ~仕方がないんだろうけれど」
でも、居酒屋あたりで仲間内とボヤいたりしているのと違って、テレビだけに、ソレって、かなり罪深い。
「反対とか賛成とかのその前に、その中身に目を向けろよ、って話だよな」
たしかに。
「ナニよりも大切なのはその中身。その中身がどうであるか。ソコに致命的な問題があるなら、ダレがナンと言おうと全身全霊を尽くして反対しなければならない。阻止しなければならない。ソレが、ソレこそが、真っ当な議会制民主主義。そうは思わないかい」
思う。
しかも、その背後で、カルトやら一部の大企業やらといった組織のダークな思惑がチラチラと、チラチラとチラついているような気がしてならないだけに、メチャクチャ、思う。(つづく)