ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.1268

はしご酒(Aくんのアトリエ) その六百と九十九

「イタシカタナシ システム ノ テグチ」

 「アレだけ血税を注ぎ込んだ自慢のスーパーコンピューターがあるんだから、容易に未来は予想でき、前もって手も打てたろうに、あの人たちは、その手のコトには一切興味を示すことなく、無策のまま現在に至る。という感じなんだけれど、結局、そんなこんなで人手不足になってしまった業種、職種、って、そこかしこにあるわけよ」、とAくん。

 「ありますよね。顧みられることもなく、いいように適当に扱われてきた必要不可欠な業種、職種が」、と私。

 「たとえば、タクシー不足。というか、タクシー運転手不足。を、補う、例の、あの、システム」

 「あ、あ~、ライドシェアですよね」

 「そう、ライドシェア。アレって、致し方なしの代表選手感、満載の、是正システムなわけだろ」

 たしかに、致し方なし感、満載だ。

 「予測される問題点たちに大いに不安を抱く関係者も多く、反対も多い。だから、そんな問題なんて起こりませんよ、起こさせませんよ、の、ために、多くの制約を設ける」

 当たり前だ。

 セキュリティを軽んじて、不安も反対も払拭などできるはずがない。  

 「しかしながら、当然、そうした制約が足枷(アシカセ)となって採用も少なくなってしまったりするわけ」 

 そうだろうと思う。

 急場凌ぎの致し方なし政策の、ごく自然な成り行きだ。

 「なんだけれど」

 ん?

 「むしろ、致し方なしの手口の本領発揮は、ココからなんだよな」

 んん?

 「ま、見ててごらんよ。多くの反対者たちを納得させるために設けたカチカチの制約、規制、を、ズルズルと緩和し始めるから」

 まさか。

 い、いや、あり得るかもしれない。

 ソレって、このところ、あの人たちが、最も得意とする「規制緩和」ってヤツに他ならない。

 そう、規制緩和

 そして、なし崩し的にユルユルのライドシェアの「一丁上がり~!」というわけか。(つづく)