はしご酒(Aくんのアトリエ) その六百と九十九
「イタシカタナシ システム ノ テグチ」
「アレだけ血税を注ぎ込んだ自慢のスーパーコンピューターがあるんだから、容易に未来は予想でき、前もって手も打てたろうに、あの人たちは、その手のコトには一切興味を示すことなく、無策のまま現在に至る。という感じなんだけれど、結局、そんなこんなで人手不足になってしまった業種、職種、って、そこかしこにあるわけよ」、とAくん。
「ありますよね。顧みられることもなく、いいように適当に扱われてきた必要不可欠な業種、職種が」、と私。
「たとえば、タクシー不足。というか、タクシー運転手不足。を、補う、例の、あの、システム」
「あ、あ~、ライドシェアですよね」
「そう、ライドシェア。アレって、致し方なしの代表選手感、満載の、是正システムなわけだろ」
たしかに、致し方なし感、満載だ。
「予測される問題点たちに大いに不安を抱く関係者も多く、反対も多い。だから、そんな問題なんて起こりませんよ、起こさせませんよ、の、ために、多くの制約を設ける」
当たり前だ。
セキュリティを軽んじて、不安も反対も払拭などできるはずがない。
「しかしながら、当然、そうした制約が足枷(アシカセ)となって採用も少なくなってしまったりするわけ」
そうだろうと思う。
急場凌ぎの致し方なし政策の、ごく自然な成り行きだ。
「なんだけれど」
ん?
「むしろ、致し方なしの手口の本領発揮は、ココからなんだよな」
んん?
「ま、見ててごらんよ。多くの反対者たちを納得させるために設けたカチカチの制約、規制、を、ズルズルと緩和し始めるから」
まさか。
い、いや、あり得るかもしれない。
ソレって、このところ、あの人たちが、最も得意とする「規制緩和」ってヤツに他ならない。
そう、規制緩和。
そして、なし崩し的にユルユルのライドシェアの「一丁上がり~!」というわけか。(つづく)