ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.1256

はしご酒(Aくんのアトリエ) その六百と八十七

「リソウ ノ タメニ モガク ニンゲン ニ」

 「某国民営放送局の朝ドラでの、のちに『家庭裁判所の父』などと言われたらしい、あるおじさんの、その言葉が、ナンだか妙に五臓六腑に沁みたわけよ」、とAくん。そうだ、そうだった。Aくんは、朝の連続テレビ小説が大のお気に入りなのだ。

 「理想のためにモガく人間に、やいのやいの口だけ出す人間は、いささか軽率だと俺は思う」

 お~、たしかに、いい、いい言葉だ。

 「どうだい、いい言葉だとは思わないかい」

 「思います。致し方なし、とか、必要悪、とか、『わざわざコトを荒立てなくてもソレなりに上手く回っているなら黒塗りも白塗りもいいじゃないか』、とか、に、勇気をもって反旗を翻し、モガきつつもガンバるピーポーたちを、小バカにするかのように冷笑してみたり、あるいは、有無も言わせずバッシングしまくったり、どころか、場合によっては端(ハナ)から全くもって相手にさえしなかったり、と、いった感じのこの現代社会にも、ビタッと当てはまる言葉のような気がします」

 「そうそう、見事なまでに、ビタッと、当てはまるよな~。ほら、つい先日の首長選、アレなんかを見てみても、結局、目先の、その場しのぎの、散蒔(バラマ)きやら再開発やらにどうしても軍配が上がってしまいがちだろ。遠い未来を見据えた『理想』なんかよりも、トにもカクにも直近の、この今の、『カネ(金)、カネ、カネ』なんだろうな」

 あ~。

 理想を語ることが票に繋がらない、悲劇。いったい、この国は、ドコを向き、ナニを目指しているのだろう。コレもまた、悲しいかな、私には、全くもって見当すらつかない。

 すると、Aくん、突然、あの人のあの歌のあのサビを熱唱する。

 ♪ファイトッ

  たたかう~きみっのうったを~

  たたかわないやつらがわらうだろ~

  ファイトッ

  つめったいみずっのなっかを~

  ふるえながらのぼ~って、ゆけ~

(つづく)