はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と百と百と百と七十一
「ハンセイ シテル? スルキ アル?」
「『反省すべきものは反省しなければならない』とか、『反省すべきは反省したい』とか、といったフレーズが巷を賑わしている。が、コレって、一見反省しているように見えるけれど、よくよく聞き直してみると、誰も『反省しています』とは言ってないんだよね」、とAくん。
ん?
ん~、あらためてそう言われると、たしかに、そうだ。誰も「反省しています」とは言っていない。
「きっと、ナゼ、この私が反省なんかしなきゃいけないんだ。応援してくれている人もいるというのに、ムカつく。という思いで溢れまくっているんだろうな。だから、わざわざ、『反省すべきものは』とか『反省すべきは』とかといった、怪しげな前置きを付けて、煙(ケム)に巻こうと画策する」
なるほど。
・・・
ナニが良くなかったのか。
ナニを反省しなければならなかったのか。
そして、ナニを反省したのか。
さらに、コレからは、どういう考えで臨まなければならないのか。
そのコトに気付けたのか。
そのコトに、合点も納得もいったのか。
・・・
というコトが全て、全くもって不明。
たしかにコレでは、悪いことをしでかして叱られた子どもたちが、よく、悔し紛れに吐く捨てゼリフ、「謝ればいいんだろ」とか、「反省すればいいんでしょ」とか、と、ナンら変わらない。
するとAくん、突然、矛先のその向きを変えて、熱く、鋭く、斬り込み始めたのである。
「僕のような素人が、その道のプロにモノ申すこと自体、失礼だし野暮だとは思うけれど、あえて、あえてプロである記者たちに苦言を呈したいと思う」
ん?
「とりあえず、ウワッ滑りの質問で、お茶を濁すようにコトを済まそうとしているのではないのか」
おっ。
「無視されようが、後でグチャグチャ言われようが、あるいは、メチャクチャ立場が悪くなってしまおうが、だ。目の前の、その、上から目線でエラそうにしているシモジモじゃないエライ人が、明らかに誤魔化そうと、逸(ハグ)らかそうと、煙に巻こうとしているのであれば、怯(ヒル)まず、挫(クジ)けず、ガンガン追及していかなきゃ、絶対にダメだ」
おおっ。
「もし、そんなコトはできない、と言うのなら、もう、そんなモノは、ジャーナリズムでもナンでもないだろ、違うかい」
違わない。
あまりにも、おっしゃる通りなものだから、無性に、清き一票を投じたくなる。
(つづく)