ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.956

はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と百と百と八十七

「バジトウフウ! バジトウフウ?」

 「馬耳東風」

 ん?

 「馬の耳に念仏」

 んん?

 「ナゼに、馬」

 んんん?

 「ナゼに、東の風」

 んんんん?

 「ナゼに、念仏」

 ・・・。

 「やっと、厳しい冬が過ぎ、ようやく心地よい風が頬を撫でる季節になっても、どんな、ありがたい話を伺ったとしても、ウルトラマイペースの馬たちは顔色一つ変えず、知らん顔。コレだよ、コレ」

 え?

 「こち、ならい、いなさ。そして、はえ

 ええ?

 「東の風や南の風には、北風や西風にはない『ありがたさ』みたいなモノが、古来からあったと思うんだよね」

 えええ?

 「そんな、ありがたい風であったとしても、馬は、平然と知らん顔。気付きさえしない。気付こうともしない。わかるかい、コレ、コレなんだよな~」

 ええええ?

 「馬は、周りを見下しているわけでも、エラそうにしているわけでも、責任を取る気などサラサラない、というわけでもないのだけれど、ソレでも、馬はやっぱり馬耳東風、馬の耳に念仏、な、わけよ」

 ・・・。

 「でもね、仮に、大いなる責任がある立場のピーポーたちまでもが、そんな、馬たちみたいな『知ったこっちゃない』モードで、ナニゴトも、平然と、馬耳東風やら馬の耳に念仏やらをヤラかしているとしたら、どうだい?。そりゃ~もう、お天道(テント)さまはお見通し、黙ってなんているわけなくて、『バカヤロウ、澄ました顔して知らんぷりしてんじゃね~よ』って、絶対に、一発かましてくれるに違いない、と、僕なんかは思っちゃうんだよな~」

(つづく)