ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.953

はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と百と百と八十四

「キンユウリテラシー ノ コウジョウ」

  国が、国家戦略などと宣い出したら要注意。というのが常識、というか、鉄則。というか、とにかくアブナイということだけは、重々肝に銘じておかなければならない。

 その中でも、とくにこのところ、そのアブナイ怪しさが際立っているのが、「金融リテラシーの向上」。

 カルト絡みも厄介だけれど、金融絡みも、なかなか厄介なのである。

 「金融リテラシー、の、向上。ご存じですか」、と私。

 「なんだよ、ソレ」、とAくん。

 「全世代型の金融教育。騙されないように、損をしないように、賢く、あなたの資産を活用、運用しなさいよ、みたいな、そんな感じです」

 「なに、ソレ。またまた国家戦略かナニかかい。なんだか、またまた臭ってくるよな~」

 「新たなる産業を、世界に打って出る産業を、生み出せないがゆえの、どこまでも内向きな、『国民一人ひとりがそれぞれ己のためにギャンブルで一儲け』戦略、と、言ってもいいかもしれません」

 「なんかさ~、カジノの次は投資ゲームかよ、って話だよな」

 「そもそも資産運用ですから、資産があることが前提なわけです。おそらく、ますます経済的な格差は拡大していくでしょうね」

 「悪いヤツらもいるだろうからな、インサイダーもポコポコと出てきたりするんだろう」

 「国が金融に絡むわけですからね。一定の確率で情報が漏れるのは、必然」

 「必然とはな。情けない話だな~、まったく」

 「おそらく、事前に法律をつくっておく、などということはしないでしょうから」

 「官民関係なく、とにかく悪いコトをしでかしたら厳罰に処す、ぐらいの法律は、事前につくっておかないと。ま、身内にはトンでもなく甘いからな」

 金融リテラシー

 金融リテラシーの向上。

 その前に、向上させなければならないモノが、山ほどあるというのに。

(つづく)