ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.917

はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と百と百と四十八

「コウコクトウ・・・」①

 広告塔。

 末端の現場で、日々、追い詰められた子どもたちや弱き者たちのために奮闘し続けているNPO法人の広告塔として、とか、核廃絶軍縮に向けて地道に取り組む団体の広告塔として、とか、再生可能エネルギーの更なる可能性を目指して努力する業界の広告塔として、とか、なら、まだしも、というか、個人的には、むしろ、「ガンガンやってくれ~」という思いがある。のだけれど、仮に、もし、人の弱みにつけ込んでいるような、とか、合法的とはいえ、あくどい商売に明け暮れているような、とか、その主義主張に差別的な臭いがプンプンとするような、とか、といった、そんな組織、団体の、広告塔になる、などという、ネームバリューのあるピーポーがいるとしたら、私は、そんなピーポーに対して、あらん限りの憤りと嫌悪を浴びせたいと思っている。

 広告塔。

 そもそも広告塔とはナニか。

 考えれば考えるほどヤヤこしくなってきそうなので、ココは思い切って、Aくんに問うてみる。

 「広告塔、って、ナンだと思いますか」

 「広告塔?」

 「わざわざ、その『顔』になるわけでしょ。当然、リスクもあると思うし」

 「そりゃそうだ、リスクはありまくる。以前、ある商品を雑誌の誌面で紹介したというだけで、その商品にトンでもない問題があると報じられた途端、そのタレントまでもがメチャクチャ攻撃されたりしていたからな~」

 「そのタレントさんが薦めるから安心して購入したという人もいたでしょうからね~。とにかく、とにかくです。そんなリスクがあるにもかかわらず、ナゼ、広告塔になろうとするのでしょう」

 う~ん・・・。

 そう唸ったままAくん、またまた沈黙の扉を開いてしまう。(つづく)