ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.883

はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と百と百と十四

「ドクリツセイヲ タカメテオカナイト!」

 バカな権力者が、その権力を振り翳(カザ)し振り回し、そこかしこにオキテ破りのプレッシャーを掛けまくったり、あるいは、その場しのぎの旨い話をもち掛けまくったりすることによって、結局、そこかしこが、再起不能になるほどに、グチャグチャに、ズタズタに、ボロボロに、なってしまうことがあるんだということを、絶対に肝に銘じておかなければならないし、忘れちゃならないはずなのに、メディアも含めてバカみたいにスルッと忘れちゃうんだよな~、と、「もう、マジでどうしようもねえな」感を丸出しにして、Aくん、句点などナニするものぞと間髪入れず、一気に語りまくってみせる。よほど呆れ果てるコトでもあったのだろう、その表情には、憤りと絶望とがゴチャッと充満している。

 「ナニかトンでもないコトでもあったのですか」

 「というか、さすがにソレはダメだろ、というような政策も、数の力と美味しそうなオマケ付きとで押し切ってきたわけだろ。そのツケが、いよいよ、ということだ」

 数の力と、美味しそうなオマケ付き、か~。

 「その、美味しそうなオマケって」

 「たとえば、選挙前の、弱者をバカにしたようなバラ撒きやら、一部の者だけがその恩恵に有り付くのであろう、トリッキーなオキテ破りの株価操作やら、仮想敵国をつくり、不安を煽(アオ)るだけ煽って大事なモノを、ある人たちとって実に都合のいいように変えてしまおうと画策するやら、あげ出したらキリがない」

 な、なんと。

 私までも、身体中に、憤りと絶望とがジュクジュクと滲(ニジ)み溢れていくような気がしてくる。

 「で、いよいよ、そのツケが回ってくる、ということですか」

 「そう。だから、だからこそ、そこかしこは、いつだって、バカな権力者から距離を置いておかないとダメなんだ」

 考えてみると、とくにここ数年、たしかに、そこかしこが、振り回され掻き乱され、魂を抜かれつつあるような気はする。

 「日銀も、最高裁判所も、大学も、病院も、大企業も、お笑いも、そして、メディアもナニもカも、ナニがナンでも独立性を高めておかないと、必ずや、いずれ、その報いを受け、取り返しがつかないほどのトンでもないツケが、回ってくるということだ」

(つづく)