はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と百と八十六
「チンモクハ トキトシテ ウラギリニナル フタタビ! フタタビ?」
「あっ!」
「えっ!」
突然、私が、あまりにも大きな声で叫んでしまったものだから、ソレにつられて、おもわずAくんも。
そんな、「あっ!」から「えっ!」への電光石火な時間差攻撃のあと、再び浮上する、あの、キング牧師の名言。
「沈黙は、時として裏切りになる場合がある」
「え、えっ?」
「いくつか言っておられた中で、間違いなく3本の指に入る、あの、キング牧師の名言です」
「あ、あ~」
「見ざる言わざる聞かざる、せざる、の、その靄(モヤ)が晴れかけたかな、と、思った途端に、再び、頭の中の脳みその沼からプクッっと浮き上がってきた、彼のハイパワー名言」
「ほ、ほ~」
「私ごときでは手も足も出ないほどのその圧力に、つい、不本意ながらも尻込みまでしてしまいそうになるのですが、それでも、こんな小さき私を勇気づけ、鼓舞してくれる、ことが、あるのです」
フムフムと何度か小さく頷いたあと、Aくん、「沈黙は、時として裏切りになる場合がある、ね~。自分自身の考えにソコまで自信がもてない、ということもあるのだろうけれど、ヤヤもすると、どうしても、ココは黙ってやり過ごそう、って、不本意ながらも思いがちだもんな~、我々は」、と。
この名言、Aくんにとっても、かなりの手強(ゴワ)さ満載の、パワフル名言であるようだ。(つづく)