ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.835

はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と百と六十六

「ヨウカイ スマシタカオシテ」

  スマした顔をして、「チンタラチンタラと、とりあえずやらせてもろてます~」みたいな、そんな腑抜けた無難主義と、そろそろ決別してもいいのではないか、と、声を大にする、Aくん。

 ナニやら物騒なモノ言いである。

 「チンタラチンタラせず、この際、武力をもってでもケリをつけちまえ~」

 えっ!、ええっ!!、えええっ!!!

 「なんてコトを言っているわけじゃなくて」

 フワッ。

 思いっ切り、ホッとする。

 「国会でのやり取りなどでの、政治を司るシモジモじゃないエライ人たちの、その、スマした顔を見るにつけ、どうしても思ってしまうわけよ。ナマぬるいコトを言っている場合ではないだろ、とね」

 あ、あ~。

 「たしかに、なぜ、ソコで、ヘラヘラと笑うのだろう、笑えるのだろう。なぜ、ソコで、怒りが爆発しないのだろう、爆発できないのだろう。と、思うことは、ありますよね」

 「あまりにも、スマした顔をしてシレッとやり過ごそうとするものだから、心ある者が、ちょっと勇気を出して『ソレじゃ~ダメだろ』と声を荒げたりすると、突然、国会の品位を汚した~みたいなコトを、腑抜けた無難主義者たちが、スマした顔で宣い出したりする」

 国会の品位、ね~。

 「そもそも、国会の品位を汚すとはナニか。ってことだよな」

 品位を汚す、か~。

 「あまりにもいい加減なものだから、許せなくなる、無性に腹が立つ、おもわず声を荒げる、大声で叫ぶ、訴える。なんてコトよりももっと、もっともっとエゲつなく品位を汚すコトってのが、あるはずだ」

 もっとエゲつなく品位を汚すコト、か~。

 「たとえば、たとえばだ、野党からの突っ込みの弱さやら法律の甘さやらにつけ込んで、そうしたコトをいいことに、質問に答えない。平気で嘘をつく。資料を提出しない。平気で黒塗りにする、捏造する。みたいな、そんなトンでもないコトを、スマした顔をして、声を荒げることもなく、丁寧なモノ言いで、モノ腰で、やってのける、という、その、人を小バカにしたような姿勢そのものこそが、エゲつなく品位を汚している、とは、思わないかい」

 なるほど。

 妖怪スマシタカオシテ。国会あたりを塒(ネグラ)にして、今日も今日とて、そんなスマしたピーポーたちの耳元で、「スマシタカオシテヤリスゴセ~スマシタカオシテヤリスゴセ~」と囁きながら、強(シタタ)かに、その存在感を示しまくっている、らしい。(つづく)