はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と百と五十一
「セイジ カラ アクジ ヘ」
「政治は、正治(セイジ)」
は、はい?
「政治は、正しき、治。でなければならないだろ」
あ、あ~。
「それが、悪知恵やら傲慢やら往生際の悪さやらナンやらカンやらで、いつのまにか、正しき治、正治から、悪しき、治、悪治(アクジ)へと、姿形を変えつつあるような気がしてならないんだよな」
悪治、か~。
「僕はね、この国の、とくに大手メディアが最も苦手にしているのが、弱点としているのが、この、政治、政治関連報道だと思っている、わけ」
政治関連、報道・・・。
「正しき、正治は、正しきモノとして高く評価し、悪しき、悪治は、勇気をもって批判し、追及する。そうした姿勢を失ってしまっては、もうそれは、ジャーナリズムとは言えないだろ、違うかい」
Aくんの指摘通り、ほとんどが崖っぷちだと言っていいかもしれない、この国のメディア、ジャーナリズム。これ以上怪しげな靄(モヤ)がかかってしまっては、視界の悪さゆえ、おもわず足を踏み外して崖下へ、と、たしかに、思えてはくる。
心の中で、ではあるけれど、あえて、いま一度、自分自身にも言い聞かせる意味で、自分自身をも戒める意味で、叫ぶ、叫んでみる。
決して見誤らない。
そして、媚びない。
諂(ヘツラ)わない。
怯(オビ)えない。
ナニがナンでも忖度しない。
(つづく)