ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.820

はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と百と五十一

「セイジ カラ アクジ ヘ」

 「政治は、正治(セイジ)」

 は、はい?

 「政治は、正しき、治。でなければならないだろ」

 あ、あ~。

 「それが、悪知恵やら傲慢やら往生際の悪さやらナンやらカンやらで、いつのまにか、正しき治、正治から、悪しき、治、悪治(アクジ)へと、姿形を変えつつあるような気がしてならないんだよな」 

 悪治、か~。

 「僕はね、この国の、とくに大手メディアが最も苦手にしているのが、弱点としているのが、この、政治、政治関連報道だと思っている、わけ」

 政治関連、報道・・・。

 「正しき、正治は、正しきモノとして高く評価し、悪しき、悪治は、勇気をもって批判し、追及する。そうした姿勢を失ってしまっては、もうそれは、ジャーナリズムとは言えないだろ、違うかい」

 Aくんの指摘通り、ほとんどが崖っぷちだと言っていいかもしれない、この国のメディア、ジャーナリズム。これ以上怪しげな靄(モヤ)がかかってしまっては、視界の悪さゆえ、おもわず足を踏み外して崖下へ、と、たしかに、思えてはくる。

 心の中で、ではあるけれど、あえて、いま一度、自分自身にも言い聞かせる意味で、自分自身をも戒める意味で、叫ぶ、叫んでみる。

 決して見誤らない。

 そして、媚びない。

 諂(ヘツラ)わない。

 怯(オビ)えない。

 ナニがナンでも忖度しない。 

(つづく)