ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.804

はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と百と三十五

「キツネ ト タヌキ ノ バカシアイ」

 実際に、キツネとタヌキが、どこかの森の奥深くで、人知れず、化かし合いをしているのかしていないのか、などということは知る由もないが、この国の昔話ワールドにおいては、古くから、キツネとタヌキは化かし合い続けている。

 このキツネとタヌキ、悪知恵を働かせて人を騙すコトにかけては、他の追随を許さないほどの強者(ツワモノ)の二大巨頭として、その地位を不動のモノとしている。

 Aくんによると、そんなキツネとタヌキが「人(ヒト)型アバター」に姿を変えて、すでに、人間社会に棲み着き始めているんじゃないのか、ということになるらしい。

 そんなアホな、と、(なぜか大阪弁で)思いはしたものの、そんなアホなコトも、ひょっとしたらあり得るかも、などと、ソコに上書きするように思ったりもする。 

 「アイツもコイツも人型アバターだと思えば、アレもコレもソレなりに筋も通るし納得もできるような気がします」、と私。

 「あ~、人型アバターね。厄介なる人型アバター、すでにもう棲み着き始めているだろ、としか思えないようなことが、そこかしこにあるよな~」、と、シミジミとAくん。

 「たとえば国会。ソコでの、国民を煙(ケム)に巻くような、馬鹿にするような、あまりにも惚(トボ)けた答弁、を、何度も何度も目の当たりにしたりしてしまうと、失礼かも知れませんが、ひょっとしたら、キツネか?、タヌキか?、などと、どうしても思ってしまうのです」

 「まさに、キツネとタヌキの化かし合い。となると、侮(アナド)るわけにはいかないだろうな。ナンと言っても、騙すコトにかけては他の追随を許さないほどの強者(ツワモノ)の、二大巨頭なんだから」

(つづく)