ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.793

はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と百と二十四

「ツゴウガイイ トカ ツゴウガワルイ トカ」

 およそ、この国の大手マスメディアなんてものは、出世など全く考えず、真実を伝えようと息巻く熱き部下たちを、あの手この手でどうにか出世を遂げた冷めた上司が潰しにかかり、その上司に、最上層部が、ひたすら視聴率を、売り上げを、上げろ上げろと迫りまくる、みたいな、そんな構図なんだろ、と、語り始めたAくん。そして、更に、「全てのベースに、都合がいいか都合が悪いか、しか、ないんじゃないか、って、どうしても思っちゃうんだよな~」、と、吐き捨てるように言い添える。

 都合がいい、か、都合が悪い、か?

 なんとなく、突然、そういえば、あるTV局の都合の悪い情報を「嘘偽り」と詰(ナジ)り、あるネットの都合のいい情報を「真実」と称賛していた国会議員がいた、ことを、思い出す。

 あの国会議員が考える「真実」とは、いったい、ナンなのだろう。申し訳ないが、残念ながら、なぜか、あの議員からは、真実に迫ろう、真実を解き明かそう、真実を知り、その真実をオープンにしていこう、という姿勢も気概も、全く感じることができなかったのである。

 難しいことはわからない私のようなものでも、コレだけは確信をもって言える。

 都合がいい、とか、都合が悪い、とか、の、世界に、真実などあろうはずがない。(つづく)

 

 

 

 

追記

 あの時、戦争に反対したのは誰だったろう。

 あの時、想定以上の津波が来ると警鐘を鳴らしていたのは誰だったろう。

 そして今、ある一人の職員の自殺の真相を、その真実を、明らかにしていかねば、と、真剣に思っているのは誰だろう。

 私たちは、そうした「誰」になれるだろうか。

 それとも、そうした「誰」を、嘘偽りだと詰(ナジ)る「側」に、回ってしまうのだろうか。