はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と百と十一
「ココデイッパツ オオアナネライ」
一か八か、ココで一発大穴狙い。
良識ある有識者のネガティブな指摘やら忠告やらなどナニするものぞ、と、雄叫びを上げつつ勝負に出る、という、そのウルトラ前向きな姿勢に、共感の拍手が鳴り止まない。
少なからず多からず、この国を見ていると、そんなムードが立ち込めつつあるような気がしてならないのだ。
地道な打開策では話にもナンにもならないんだ、短期間で結果を出してやるぜ、甘い汁を吸ってやる~、みたいな、そんな短気で粗っぽい方針が、政策が、過半数を軽く越える支持を得ている、というわけだ。
たとえば、緊縮財政政策からの公共事業の民営化。
合理化によって、より健全化が進む、と、声高らかに豪語する。
果たしてそうなのだろうか。
儲けを求めるものではないから公共事業であったモノが、なぜ、民営化などというモノに転ずるができるのだろう。考えれば考えるほど、トリッキーな詐欺的政策のように思えてくるから不気味だ。
素人目で考えただけでも、非正規雇用の増加、公共料金の値上げ、杜撰(ズサン)なインフラ整備、などなど、湧き上がる不安因子にコト欠かない。
たとえば、IR(Integurated Resort)、統合型リゾート。
常識的に考えて、たとえ、ソレが私設のほんの一部に過ぎなくても、ソコから如何なる甘い汁が吸えようとも、国が、行政が、ギャンブルを奨励して、一般ピーポーから金をむしり取るようなコトに加担する、などというその発想そのものが信じられない。そして、信じられないついでに言わせてもらうなら、そもそもソコに甘い汁がある、などとは、到底思えない。
公共事業の民営化も統合型リゾートも、やたらと美味しそうに見えるメリットばかりに目を向けず、影に隠れて見えにくいデメリットにこそ目を向けなければならないのではないだろうか。後になって「知らなかった」では済まないのである。
にもかかわらず、それでも「一か八か、ココで一発大穴狙い」は、過半数を軽く越える支持を得て、デメリットやらリスクやらなどナニするものぞ、と、国を挙げて突き進む。(つづく)