はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と百と四
「ナンナンダヨ ゼイキンパラダイス」
詰まるところ政治って、税金をどう集めてどう使うかだろ、と、少々吐き捨てるように語り始めた、Aくん。
税金?
ソレを、よりスムーズにヤっちまえるように、納税は国民の義務です、と、ピーポーたちのオツム(頭)の中身が、まだまだ柔らかいうちに、早々に、叩き込んでおくわけだ、と、更にソコに重ねてくる。
納税は国民の義務です、か~。
「でも、実際、国民の義務、ですよね」
「そうなんだけれど、ひょっとしたら、ソコに落とし穴があるのかもしれない」
落とし穴?
「義務なんて思っているから、払った税金がどう使われるのかなんて、考えようともしないんじゃないか、ってね」
義務だと思っているから?
「義務だから納税する。ん~・・・、なるほど、おっしゃる通り、どうしてもソコで完結してしまいますね。そのアトのことまでは、まず考えない」
「だろ。だから、思い切って、無理やり、義務ではなく、納税を権力だと考えるようにしてみたらどうだろう」
納税を権利?
「モノ申す、モノ申せる、そのための納税、という権利だとね」
モノ申せるための納税という権利?
「納税しているからこそ、ソレがどう使われるのかを見定めるその権利を手にすることができる。そう考えなければ、そういう姿勢で臨まなければ、集められた税金を使う側は、いつだって、好きなように使える『税金パラダイス』だと勘違いしたまま、ナンの躊躇(タメラ)いも反省もなく突き進むような気がしてならないんだよな」
税金パラダイス、か~。
・・・。
耳を疑うような大規模な廃棄。
元々の、杜撰(ズサン)で適当な計画から無尽蔵に膨れ上がる経費。
信じられない額の中間マージン。
都合のいいところへのピント外れの手厚い補助金。
そんなこんなの利権に絡みに絡むドロドロとした汚職もどきの中で、水泡のように消えていく膨大な血税たち。
しかも、誰も責任なんてとろうとしない。
・・・。
たしかに、シモジモじゃない権力を握るエライ人たちにとっては、見事なまでの「税金パラダイス」なのかもしれないな。
でも、あえて言いたい、言っておきたい。
なんなんだ、なんなんだよ、税金パラダイス、って。(つづく)