はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と九十九
「ニホンコスイヨジジュクゴタイショウ ハッピョウ!」②
あの日、Aくんと私は、かなりの時間を費やしてワイワイと、「狡(コス)いの中の狡い」四字熟語をアレコレと考えに考え抜いて、呑みに呑んで呑みまくったのである。
「で、その栄えある大賞に輝いたのはナンだっけ」
さすがに、ソコまでは思い出せないようだ。
「ナンだったと思います?」
「お~、オキテ破りの質問返しか」
「もちろん、政治関連モノです」
「政治関連モノ、ね~。政治関連のアレやらコレやらのほとんどが、狡い四字熟語大賞候補みたいなもんだからな~」
「では、発表します。ダダダダダダダダダ~、第3位!」
「おっ」
「人事介入~」
「お~っ、人事介入か~。たしかに、ソコまでやるか、というぐらい、そこかしこの人事に首を突っ込んで、己たちの有利にコトを運ぼうと画策している感、満載だよな」
「そして、ダダダダダダダダダ~、第2位!」
「おおっ」
「報道規制~」
「おお~っ、報道規制ときたか。そういえば、水面下でイロイロと圧力をかけているのだろうな、としか思えないぐらいのワンカラー報道、この頃とくに、感じる、感じまくる」
「いよいよ、ダダダダダダダダダ~、第1位!」
「おおおっ」
「拡大解釈~」
「おおお~っ、拡大解釈。その狡さ、危険度、罪の深さ、の、ドレをとっても、日本狡い四字熟語大賞に相応(フサワ)しい。いいトコ突いてくるよな~、お見事、ホント、お見事だよ」
やけに感動してくれているAくんだけれど、この三つとも、Aくんによる、ほぼゴリ押しに近いセレクトだということを、彼は完璧に忘れている。(つづく)