ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.751

はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と九十二

「ヤッパリ ムリムリ」

 たとえば、たとえばだ、安全面から考えても、この時期、ソレはムリだろ、問題がありすぎるだろ、と、指摘され続けてきたにもかかわらず、安全面以上のメリットを、どうしても捨て切れず、強行突破し、それでもどうにかこうにか終えることができたその後で、「やっぱり、この時期は、ムリムリ」などと、平然と言ってのける、なんてことがあったとしたら、さすがにソレは、到底、許されるコトとは思えない。ましてや、ソレが、責任あるシモジモじゃないエライ人たちの言葉となると、そう易々とは看過できない、と、オカンムリ感満載に、一気に捲し立てる、Aくん。

 ありそうな話である。

 とりあえず、強行突破をしてはみたけれど、やっぱりヤバいんじゃないか、と、思い始めたのか、ツジツマ合わせのコメントを、その後で、あたかも評論家のごとく、ヒトゴトのようにシレッと語ってみせる、仁義なきオキテ破りの会見を、何度か目にしたことがある。

 もし、ソレを強行突破したことで、誰かが命を落としてしまったら、どうするつもりだったのだろう。その時でさえも、この時期は、やっぱりムリムリ、などと、スマした顔をしてコメントするつもりだったのだろうか。

 責任ある立場とは、責任ある立場の判断とは、そのような軽いものではない気がする。いや、ないはずだ。

 そんなことをアレコレ考えてみたりしているうちに、またまた気持ちが、ズシリズシリと重くなっていく。(つづく)