ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.749

はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と九十

「ロクワリセイジカ ハビコル!」

 6割政治家が、ジワリジワリと蔓延(ハビコ)りつつあるよな~、と嘆くAくん。

 「ロ、ロクワリ政治家、ですか」、と私。

 「そう、6割政治家」

 ロクワリ政治家のその意味が、全くわからない。

 「な、なんなのですか、そのロクワリ政治家って」

 「ザックリと言ってしまえば、つまり、4割は切り捨てる、ということだ」

 「4割は切り捨てる?」

 「そう、切り捨てる」

 なんだかヤバくなってきた。

 「ピーポーの6割さえコチラに向ければ、残りの4割のことなんてどうでもいいや、ということだ」

 そう言われると、たしかに、なんとなく、勝つか負ける的なそんな感じのコトが、そこかしこで見受けられるようになってきつつあるような気が、しなくもない。

 「数の論理でゴリ押し、強行突破。このところ、耳にすることが増えてきたような」

 「気がするだろ」

 「残念なことですが、します」

 「4割ものピーポーたちの声に耳を傾けられない、傾けない、その思いに寄り添えない、寄り添わない。そして、6割政治家たちは、いわゆる勝ち組と言われる誰かの利権のために、そんな誰かとの関係性のために、ゴリゴリとゴリゴリとゴリ押し強行突破していく、わけだ」

 Aくんが言うところの6割政治家のその意味の輪郭が、徐々にシャープになっていく。

 「そもそもだ、真っ当な政治とは、本来、そういうものじゃないだろ。ましてや、そんな、勝つか負けるかみたいな稚拙な二者択一、じゃ、絶対にないはずだ」

 「稚拙な二者択一、ですか」

 「そう。そんなもの、場合によっては情動的で狂乱的なポピュリズムさえも巻き込んでしまう危うさを抱えた、限りなく暴力に近い、おバカ丸出しの二者択一に他ならない、ということだ」

 聞けば聞くほど、プチュプチュと不気味度が増しに増し、気持ちが悪くなる。(つづく)