ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.725

はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と六十六

「スポンサー ナンテ スッポンサ~」

 かねてからAくんは、カネ(金)による魂の支配に対して、警鐘を鳴らし続けている。

 この、「カネによる魂の支配」、なかなかどうして、かなりの手強さで、しかも罪深い。

 「邪念もナニもなく、ポンとおカネを出してくれる、なんてこと、そうそうあることじゃ、ない。本来、その趣旨に賛同して出資するわけだから、おカネは出すけれどクチ(口)は出さないよ、が、スジ。そのスジは、当然のごとく尊重されるべきモノなんだろうけれど、現実は、たいていの場合、そうは問屋が卸さない」

 Aくんの、目一杯悲観的なその指摘通り、振り返れば、「あ~」、と、納得してしまうことが、そこかしこにあることに気付く。カネは出すけれどクチも出す、出したからにはベッタリとへばり付く、が、スタンダード、だと、いうことなのだろう。

 「そう言えば、あの大阪弁が」

 またまた、Oくんのことだ。

 「国やら企業やらナンやらカンやら、と、その時その時で、その場その場で、スポンサーは色々とおまっけど、そもそもやね、スポンサーなんてもんは、一旦ソコにガブリと噛み付いたら、そう易々と離したりはしまへんで~、の、あの、スッポンみたいなもんでっせ、と、やたらと自信満々に言い放つ、わけよ」

 ま、ま、まさか、「スポンサー」のその語源、まさかの「スッポンさ~」からの、スポンサー?、・・・、ないない、それは、さすがに、絶対にない。(つづく)