ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.718

はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と五十九

エス エー ジー イー セージ」

 エス、エー、ジー、イー、sage 。この横文字の意味、ナンだと思う?、と、SDGsからの流れも、さり気なく臭わしつつ、Aくん。

 「セージ、ですか」

 「そう、sage 」

 「わからないな~。んっ?、それ、それって、ハーブの、あのハーブの名前、ですよね」

 「そうそうそれそれ、そのハーブ。ハーブであるそのsage が意味するモノが、実に、興味深いんだ」

 そんなセージのその意味の行方が、ソコからの展開が、私には全くもって見えてこない。のだけれど、その分、ワクワク感もそれなりにジュワリと湧き上がる。

 するとAくん、キラリと、二割増しほど瞳を見開いて、セージに纏(マツ)わるセージ談義のその幕を、ユルリと上げる。

 「あの、ナニがナンでも大阪弁のあの男からの受け売りなんだけどね」

 大阪弁のあの男とは、どこまでもOosacan(大阪人)な、あのOくんのことである。

 「け、ん、じゃ、賢者、らしいんだ」

 け、ん、じゃ、賢者?

 「賢者、ですか」

 「そう、セージの花言葉は、賢者。そして、さらに彼が言うわけさ、セージの遠い親戚筋にあたるらしいホワイトセージのその花言葉は、なんと、尊敬、さらには、浄化、だとね」

 賢者、尊敬、そして、浄化、とは。

 「だから、ネイティブアメリカンの間では、聖なるハーブとまで言われてきた、らしいんだな」

 聖なるハーブ、か~。

 「そして、彼は、いつものあの大阪弁で、こう言ってのけたわけ。そういった願いを込めてやね~、先人たちは、この世の中の政(マツリゴト)のことを、セージ、せいじ、政治、と、言うようにしましたんや、ってね」

 エッ!

 「そ、そうなんですか」

 「そんなワケないだろ。ウソ、ウソ、大ウソさ」

 ワッ!

 「ウ、ウソなんですか」

 「そう、彼、お得意のいつもの大ウソ。でもね、そのとき、そのウソだけは、ナゼかウソとは思えなかった、思いたくはなかった。ウソなんかじゃなくて、そんなセージからのsage な政治であってほしい、と、そのとき、マジで思ったんだよな」

 なるほど。聖なるハーブ、聖なるセージ、からの、sage な政治、か~。

 たしかに、ウソなんかじゃない、と、私も、ありったけの願いを込めて、思いたい。(つづく)