はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と二十九
「キヲテラウ?」②
奇を衒(テラ)う。
ソレではダメ、ソレではダメでしょ、と私。
ビンチをチャンスに変えるために、オキテ破りの「奇を衒う」に手を染めてしまっては、武器になるどころか、逆に、自爆にさえ繋がりかねない、と、おもわず語気を強めてしまう。
「その通りだと僕も思うし、考えれば考えるほどソコに、ナニやら怪しげな負のパワーすら、感じてしまうよな~」
発想の転換、と、奇を衒う。
この、似て非なる二者の間に、ブレることのない強靭なつい立てを設けておくことが大事なのであって、ソコがユルユルになってしまうと、肝心要の根元の部分が、グチュグチュッと腐ってきそうな気がしてならないのである。
そしてAくん、遠慮しつつも、アートに絡めて、この、「発想の転換と奇を衒う」論に、ビシリと終止符を打つ。
「他人(ヒト)の作品や、その作者(ヒト)の思いや考え方に、どうこう言うつもりなどサラッサラないけれど、あえて、あえて一つだけ言わせてもらうとするならば、アートも、やっぱり、奇を衒う、では、ダメだと思う」
(つづく)