ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.682

はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と二十三

「タ~イ~ムショ~ック!」

 空前絶後のトンでもないことがジワリジワリと迫り来る、しかも、もうアトがない、というそんなとき、ナゼか思い出すクイズ番組がある、とAくん。

 クイズ番組、か~。

 たしかに、浮き沈みはあるものの、その時代の嗜好に合わせて、形態をいろいろと変えながらも、長きに渡ってそれなりの地位を保ち続けているように思える。

 そんな、懐かしのクイズ番組たちを振り返る、Aくん。

 大橋巨泉の『クイズダービー』、土居まさるの『象印クイズ ヒントでピント』、そして、小池清の「ハワイへのご招待。さあ、10問正解して、ハワイへ行きましょう!」で始まる『アップダウンクイズ』、などなどと、ほんの少し振り返ってみただけでもウジャウジャと思い出すことができる、と、長々と熱く語り続けていたAくんが、とくにその語気を強めたのが『クイズタイムショック』。

 田宮二郎の『クイズ、タ~イ~ムショ~ック』は、とことんスマートで、ホントにカッコよかった~、と、懐かしむ。

 そして、脅迫的に、しかも猛スピードで、残された時間が刻々と、チッチッチッチッチッと消え続けて、アッと言う間にタイムリミット!、というあの感覚が、この星の、この今の、切羽詰まった現状を、そのままリアルに投影しているような気がしてならないわけよ、と、宣う。

 リアルに投影、か~。

 さすがに、飛躍しすぎ感は歪めないものの、なるほど、たしかに、この星は、V字回復のために残された時間のあまりの少なさゆえに、クイズ、ならぬ、悔いる、「クイル、タ~イ~ムショ~ック!」状態、で、あるようにも思えてくるから、なんとも不思議な気持ちにはなる。

 「そして、そのラストは、時すでに遅し、と、この星ごとクルクル回って急降下、なんてことになるのかもな~」

(つづく)