はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と七
「カタヨッテイル」③
「そのセンターポジションを誰が決めるんだよ、って話なわけ」
センターポジション・・・、誰が決めるんだよ、か~。
せっかくだから、あの、私お手製の切り干し大根にたとえて、少し考えてみる。
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つまり、つまりだ、あのときのあの「その絶妙にいい塩梅のその味」のその基準は、はたして、普遍的なものであったのか、ということなのかも。
「誰が決めようと、それは一向に構わないと思いますが、そのセンターポジションは、本当に偏りのない普遍的な真理なのですか、ということですよね、違いますか」
「そう、そういうこと。そうしたセンターポジションが、偏りのない普遍的な真理だという保証など、ドコにもないのだから」
「となると、もともとのセンターポジションが曖昧なのだから、偏っている、などという批判もまた偏っている、ということになり得る、ということですよね」
「そうそう、そういうことだ。仮に、大多数の意見が、国の方針が、センターポジションであるというのなら、国の方針やら考えやらとは異なる、相反する、少数派の意見などというものは、全てナニからナニまで偏っているということになるわけだからな~」
極端かもしれないが、隅に追いやられた力なき少数派の意見を、偏っている、と、軽くあしらってしまったばかりに、どの国も、戦争への道を選び、安全性も未来も保証されていない不完全な原発を建設し続け、温暖化への対策を怠ってきた、ということなのかもしれない。(つづく)