はしご酒(4軒目) その百と百と五十二
「オテガル ハ ダレニトッテモ オテガル シンドローム」②
「あくまでも想像だけれど、その頃に、いわゆる、規制緩和、ってヤツが、ドッカ~ンと行われたのかもしれないな」
ナンらかの理由があって、ソコにあった規制が、ナンらかのメリットを求めて、緩和される。おそらく、ダレかにとって、大いなる利益をもたらすことになるのだろう。
そして、アッと言うまに、いろいろなことが、お手軽になる。
「たしかに、このところのデジタル化なんて、ものすごい勢いで、ダレでもお手軽、感、が、際立ってきつつありますよね」
「いいね~、その、ダレでもお手軽感」
できる限りの個人情報を、ギュギュッと集積して、管理して、スピーディーに、お手軽に、巨大なお金を動かせることのメリットは、利用する一般ピーポーのみならず、管理する側や、ドッカ~ンと儲けたい側にとっても、大いなるものがあるのだろう、ぐらいのことは、経済音痴の私でも、それなりに感じることができる。
「でもね、自分にとって、お手軽なものは、ダレかにとっても、お手軽、だということを忘れてはいけない」
「それは、どういう意味ですか」
今ひとたび、考えを、整理するためなのか、Aくん、またまた、チッチッチッチッチッと音をたてながら流れる沈黙の時間の中を、彷徨(サマヨ)い始める。(つづく)