ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.489

はしご酒(4軒目) その百と百と三十

「イマヨリモット ヒドクナルカモシレナイ シンドローム

 保守的、という言葉がある。チェンジへの臆病な姿勢、ビビるハート、といった、ネガティブなイメージが、どうしても付きまとう、とAくん。

 ようするに、現状に対する消極的満足、ということだな、と補足する。

 なるほど。

 つまり、決して、納得なんてしてはいないのだけれど、今よりもっと、ひどくなるのではないか、という、得体の知れない不安感が、身の回りの、それなりに、なんとなく、おさまっているように見えなくもないこの状態に、致し方なく満足せざるを得なくしている、に、すぎないということなのだろう。

 「ま、上手い具合に立ち振る舞って、小銭を、どころではないかもしれないが、ガポガポ稼いでウハウハな人たち、ってのも、たくさんいたりするわけだからな~、そりゃ保守的にもなるだろう」、と、なかなかイヤミな物言いのAくんである。

 もちろん、このままでは、この国の、この星の、未来は、間違いなく心配ではあるのだけれど、そんな未来の心配よりも、とりあえずは、この今を上手に生きろ、だろ、という、実にエゴイスティックで保守的なリアリストたち、もまた、いかんせん、衰え知らずの増殖傾向にあるようだ。(つづく)