ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.475

はしご酒(4軒目) その百と百と十六

「ゴー ト カム トハ ドエラクチガウ」

 置かれている状況が著しく異なる両者との間での、もしくは、強者と弱者との間での、「Go!」と「Come!」とは、ドえらく違う、とAくん。

 おそらくは、Aくんの周辺かドコかで、「Go」か「Come 」あたりに絡むトンでもないナニかが、あったからなのだろうけれど、一度聞いたぐらいでは、その内なる意味を、サクッと理解することなど、到底、できそうにない。そんな、Aくんの「GoとComeとはドえらく違う」理論の、幕開けである。

 「それ、どういう意味なんですか」、と私。

 「難しい?」

 「はい。全く、ナンのことやらわからないです」

 「わからないか~、・・・、つまり、相手の置かれている状況やら、気持ちやら、を、考慮しないままの相手へのアプローチは、時として、結構罪深い、ということ」

 う~ん、・・・、ようするに、相手が「Come 」ではない、にもかかわらず、コッチからの、場合によっては、いかにも、相手のことを慮(オモンバカ)っているかのような、そんな「Go」などというものは、本来、あり得ない、ということを、Aくんは宣っているのだろうか。

 「ComeなきGoは、強者の、単なる傲慢(ゴウマン)。ソコからは、愛も正義も英知もナニもカも、一切、感じられないし、伝わってもこない、ということだ」

 Aくん独特の、いつもながらの極端な乱暴さは否定できないものの、深いな、たしかに深い。

 「GoとComeとはドえらく違う」理論、恐るべし。(つづく)