ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.384

はしご酒(4軒目) その百と三十五

「イノチ ト タマシイ」①

 命とはナニか。

 ソコを勘違いすると、人が人としてあるための、その根源的なものを、命を失う前に失ってしまうかもしれない、とAくん。その話の中身がズンズンと哲学めいてきたものだから、またまた少々慌ててしまう。

 「命とは、ですか」

 「そう、命とは、だな」

 命を、生物学的に、物理的に、捉え過ぎることの危険性を、Aくんは訴えようとしているのだろうか。

 「それは、生き方ってことですか」、と、問い返してみる。

 「生きカタか~・・・、どちらかというと、生きザマかな」

 「生き様、ですか」

 「そう、そのほうが、僕のイメージに近いような気がする」

 たしかに、生き方、と言ってしまうと、ナニやら方法論みたいなことになってしまいそうな気はする。

 命とはナニか。

 イカの塩辛をアテに、オール能登純米酒をグビリとやりながら、しばし考えてみる。(つづく)