はしご酒(4軒目) その百と三十五
「イノチ ト タマシイ」①
命とはナニか。
ソコを勘違いすると、人が人としてあるための、その根源的なものを、命を失う前に失ってしまうかもしれない、とAくん。その話の中身がズンズンと哲学めいてきたものだから、またまた少々慌ててしまう。
「命とは、ですか」
「そう、命とは、だな」
命を、生物学的に、物理的に、捉え過ぎることの危険性を、Aくんは訴えようとしているのだろうか。
「それは、生き方ってことですか」、と、問い返してみる。
「生きカタか~・・・、どちらかというと、生きザマかな」
「生き様、ですか」
「そう、そのほうが、僕のイメージに近いような気がする」
たしかに、生き方、と言ってしまうと、ナニやら方法論みたいなことになってしまいそうな気はする。
命とはナニか。