ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.381

はしご酒(4軒目) その百と三十二 

「ホソボソトヤレルホソボソハ ホソボソデハ ナイ」

 ナニが起ころうとも、ドンな状況下であろうとも、ホソボソとやれるホソボソは、そんじょそこらのヤワなホソボソではないと、私は思っている。それどころか、そんなホソボソこそが、ハデさこそないものの、ナニものにも屈しない底力を秘めたホンモノの強さである、と、信じて疑わない。

 「それは、100%理解できる」、とAくん。

 Aくんなりに思うところあって、天職とまで宣っていた学校の先生を早期退職し、そして、かなり謎めいたアートの世界に身を投じたわけだから、ホソボソとやれる強さというものに対して、Aくんが、「100%理解できる」と言うのもまた、なんとなく頷ける。

 しかしながら、その一方、この世の中に目を向けてみると、むしろ、どちらかというと、ホソボソと、なんて、相手にもされておらず、ハデハデでイケイケの一攫千金狙いの花盛り、というような気がしてならない。

 たしかに、一見、ポジティブで、それなりに勢いも伝わってはくるけれど、ソコに、地味だけれど揺るぎない強さのような、そんなものが、なぜかほとんど感じられない、むしろ、モロさすら感じてしまう、のは、果たして私だけだろうか。(つづく)