ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.359

はしご酒(4軒目) その百と十

「ヨソトハチガウ ナニカ」①

 あの空海弘法大師、の、高野山、の、和歌山県。この県もまた、古(イニシエ)の都であった奈良県同様、そう簡単には侮れそうにない。

 なんといっても空海は、この今も高野山で、お念仏を唱え続けておられる、という。少し前にお姿をお見かけした、というおじさんに、お会いしたこともある。そんなアホな~、と、バッサリ否定することは容易いことなのかもしれないけれど、ナンでもカンでも我々凡人の尺度でモノゴトを捉えてしまうことが、実は、全くもってお門違いなのだ、ということも、この世にはあるのかもしれないな、と、あらためて考えさせられたんだな、とAくん。

 すぐさま、悟られないように、私の中の「そんなアホな~」を封印する。

 きっとAくんは、高野山に対して、ヨソとは違うナニかを感じているのだろう。

 そんなAくんにとっての高野山と同じく、私にも、私にとっての、ちょっとヨソとはナニかが違う、と思える聖地が、この和歌山県にはあるのである。(つづく)