ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.316

はしご酒(4軒目) その六十七

「スーパートータラー イズコニ」①

 そのパートパートでモノゴトを考えるシモジモじゃないエライ人たちは、それなりに結構、アチラコチラにいるようなのだけれど、ヨコ軸もタテ軸も隅から隅まで広範囲にトータルに、モノゴトを考えることができるというツワモノには、残念ながら、なかなかお目にかかれない、と、嘆くAくん。

 Aくんお得意の唐突感満載話、で、あるだけに、もちろん、即座に理解することなどできやしない私は、その謎めいた部分を解きほぐそうと、いつものようにジワリジワリと、質問をし始める。

 「ヨコ軸もタテ軸も、ですか」、と私。

 「そう、物理的な空間と、時間、ね」、とAくん。

 「物理的な空間、と、時間、ですか」

 「そう、この星のアチラコチラ、そして、過去から未来」

 「そうしたことを丸ごとひっくるめて考えられるツワモノ、ということですか」

 「そう、いままで、パートパートでしか考えてこなかったその結果として、その報いとして、この星の問題点がテンコモリに、なんてことになってしまったわけだから」、と、徐々にボチボチと「嘆き」から「憤り」へと階段を上り出しつつあるAくん。本領発揮と言えば本領発揮なわけだけれど。

 なるほど。 

 たしかに、そう言われると、そんな気もする。しかし、パートパートに絞り込んだからこそ、思い切って一点突破で考えてこれた気もするし、だからこそ、開発も進歩も成長もあったのでは、という気もしてしまったりするものだから、なにやら、ドンドンとヤヤこしくなってくる。(つづく)