ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.262

はしご酒(4軒目) その十三

「データ ト ゴリオシ モンダイ」

 チリリチリリという、なにかを丁寧に揚げる音とともに、どれだけ満腹でもまだまだいける、と思わせるだけの美味しそうな香りが、テラリテラリと漂ってくる中、Aくんがさらに語り始めたその三番手が、「データとゴリ押し」問題。

 あるデータ作成のプロフェッショナルのこんな言葉が、あちらこちらを回り回っているうちに、たまたまAくんの耳にもたどり着いてしまったものだから、無視するわけにもいかなくなったのだろう、か。

 

 素人相手の説明に使うデータなど、なんとでもなる

 

 たしか、かなり以前に、シモジモじゃないエライ人たちが、あるデータを持ち出して、ジワリジワリと語り始めて、自分の考えを強引に押し通そうとしたら、要注意!、と、隣に鎮座するAくんが熱弁していたことを(完全に忘れてしまっていたけれど)いま思い出した。

 そういえば、データ改ざんやらナンやらカンやらのニュースを、このところよく耳にする。それでも、誰も逮捕などされてはいない(ように記憶する)。つまり、シモジモであるエラクナイ一般ピーポーに対する説明の際に使われるデータなどというものは、所詮、その程度のものだ、ということである。

 実に都合のいい、その程度のデータを持ち出して、ゴリ押し!、などという蛮行は、どう考えても真っ当な大人のすることではない、と、この私でさえも、思うのだけれど。(つづく)