ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.260

はしご酒(4軒目) その十一

「ゲンダイアートダマシイ モンダイ」②

 そんな感じで、ちょっと謎に包まれた、アートなAくんが、近頃、疑問に、不安に、思うことのその二番手に、「現代アート魂」問題がある、らしい。

 Aくんは、その魂が、絶滅危惧種の仲間入り寸前なのではないか、と、かなり本気で心配している。

 しかしながら、そもそも、現代アートなんぞに魂たちなどというものが宿っているのだろうか、と(もちろんコッソリとだが)私は、なんとなくながら少し懐疑的だ。そんな(少しフラチな)私の思いをヨソに、少なくともAくんは、そう信じてきたし、これからもそう信じ続けたいのだろう、というその熱量だけは、充分にコチラまで伝わってくる。

 伝わってはくるけれど、現代アートの魂のその真相真意、残念ながら、到底、私ごときでは究明できそうにない。それでも、なぜ、この今、現代アートの魂が絶滅危惧種に仲間入り寸前なのか、というその点に関しては、妙に興味が湧いてしまう。(つづく)