ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.246

はしご酒(3軒目) その七十五

「ゴウホウテキ カジバドロボウ」

 「やっぱり、どうしても、ウィンウィンが気になるのよね」、とZさん。

 「どのあたりが気になるんです?」、と私。

 「着物業界にも言えることなんだけど、上のほうのウィンウィンの犠牲になっているような」

 「現場がですか?」

 「そう!」

 たしかに、みんながみんな、ウィンウィンなんてことはあり得ないわけで、そのトバッチリは、必ずどこかに、ということは、私でも、なんとなくわかる。

 シモジモである一般ピーポーたちがタイヘンなときに、ドサクサに紛れて一儲けしようと企むシモジモじゃないエライピーポーたち(とは限らないかもしれないけれど)か~・・・、なんにせよ、トバッチリは、いつでも弱者に降り注ぐ、ということなのだろうか。

 そうした、タイヘンなときに、弱りきったそのときに、ドサクサに紛れて一儲け、という構図は、被災地などに出没する姑息で卑怯な悪徳業者や火事場泥棒にも酷似しているような、そんな気がしなくもない。

 ひょっとすると、この星のそこかしこで、「合法的火事場泥棒」という輩(ヤカラ)たちが、懐を肥やしながら、すました顔をして闊歩している、かも、しれない。(つづく)