はしご酒(3軒目) その四十八
「バクハツスル ワカサ ニ チラリト」③
私は、なぜ嫉むのか、妬むのか、ということよりもむしろ、嫉み、妬んだ、そのあと、どうするんだ、というところにこそ、なにやら大事なものが潜んでいるような気が、している。
単に、自分にはないもの、満たされていないもの、に対して、漠然と羨望(センボウ)するのではなくて、例えば、若者たちの可能性に、爆発するパワーに、仮に、嫉妬したとしても、それ自身を起爆剤にして、負けまい!、と、気持ちを引き締めるその心意気こそが、大事なのではないだろうか。
相手を敵とみなし、潰(ツブ)しにかかる、ことで、自分の中のその虫を鎮めようとする、といった姑息な愚行に身を置くことさえなければ、嫉妬(の虫)もまた良し、ということもあるのではないか、と、私なんかは思ったりするのだけれど、いかがなものだろう。
心意気一つで、チラリと顔を覗かせた嫉妬の虫が、キラリと光る!、ということだって、あるはずである、たぶん・・・いや、きっと。(つづく)