ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.219

はしご酒(3軒目) その四十八

「バクハツスル ワカサ ニ チラリト シットムシ?」③

 ナゼ、嫉むのか。

 ナゼ、妬むのか。

 と、いうことよりも、むしろ。

 嫉み、妬んだ、そのあと、ドウするんだ。と、いうトコロにこそ、ナニやら、メチャクチャ大切なモノが潜んでいるような気がしてならないのである。

 単に、自分にはないモノ、満たされていないモノ、に、対して、漠然と羨望(センボウ)するのではなくて、例えば、不覚にも、若者たちの可能性に、爆発するパワーに、嫉妬してしまったとしても、ソレを起爆剤にして「負けまい!」と気持ちを引き締めるぐらいでなければ、ソレぐらいの心意気がなければ、ダメなような気がする。

 そう。嫉妬もまた、充分に、起爆剤になり得るのである。

 このところ、巷で見掛けがちな、あの、相手を敵とみなして潰(ツブ)しにかかる、コトで、自分の中のその虫を鎮めようとする姑息技。に、安易に身を投じることさえなければ、嫉妬もまた良しと、シットムシもまた益虫と、言えなくもないかと思ったりするのだけれど、いかがなものだろうか。

 心意気一つで、チラリと顔を覗かせたシットムシがキラリと光る!、ということだってあるはずである、たぶん・・・いや、きっと。(つづく)