ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.207

はしご酒(3軒目) その三十六

「オジイサン ノ オオシマ キキイッパツ」①

 そんな二人に挟まれながら、なんとなく、ボンヤリと考える。

 Zさんのご主人なので、とりあえず「Z’(ゼットダッシュ)さん」で良さそうなものだけれど、それだと、「Zさん未満」ということになるわけで、さすがにそれはマズいだろう、とも思ったけれど、他になにかあるかな~、などと考えているうちに、だんだんと邪魔くさくなってしまい、もう、ほとんど「Z’さん」に本決まり、という、そんな感じだ。

 ということで、そのZ’さん、なのだけれど、あらためて、今宵の着物のコーディネート(巷では、少しだけ略して「着物コーデ」と言うらしい)、に、注目してみる。

 憧れの大島紬(オオシマツムギ)だと思う。その色み、風合い、そして、これぞ「大島」という亀甲柄、ほぼ間違いないだろう。

 「ご夫婦で着物、いいですね~、かっこいいです」、と、単なる「おべんちゃら」に聞こえないように、だけ、充分に気をつけながら、素直に、自分の気持ちを伝えてみる。(つづく)