ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.201

はしご酒(3軒目) その三十

「テン カラノ サズカリモノ」①

 その、私の、ほとんど独り言のような「商品たちの思いを受け止めて、成り代わって、お天道様が天罰を下す」理論を、静かに聞いていた(と、思う)Zさん。が、ポソリと。

 「美しい雫(シズク)は、天からの授かりもの。大切にしないと、スッと目の前から消えてしまう」

 美しい雫は、天からの授かりもの、か~。

 そういえば、以前、Aくんも、「開発と公共工事という魔物が、どれほどの天からの授かりものを喰いまくり、そして、この世から消し去っていったか」、と、吐き捨てるように嘆いていた。

 つまり、ヤヤもすると、どうしても、この世から消し去られがちな天からの授かりものたちは、もう、すでに、ほぼ、絶滅危惧種、風前の灯火(トモシビ)、の、仲間入りだということなのだろう。

 そう、風前の灯火なのだ。

 もちろん、皆が皆、消え去りつつあるわけでも、開発と公共事業が、皆、魔物であるわけでもない。と、思ってはいる。しかし、「天からの授かりもの」という意識など、ほとんど持ち合わせていないあの人たちが中心となって、街を、国を、つくっているのだ。華やかな旨い話のその裏で、人知れず、風前の灯火となっていくのもまた必然と言える。(つづく)