ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.199

はしご酒(3軒目) その二十八

「ショウヒンダマシイ ノ ヒアイ」①

 ときどき、こんなことを思う。

 着物も、草履も、蜜も、グラッパも、この焼き栗も、やれウマイだの、やれキレイだの、やれマズイだの、やれイマヒトツだの、と、上から目線でエラそうに、スキなことを、なんやかんやと言われたりしているにしては、よくもまあ、心を乱すことなく、クールに、我が人生(「商品生」と言うべきか)を全うしようとすることができるものだ、と、感心したりする。そして、そんなケナゲな商品たちを見ているうちに、もしも、彼らが・・・、などと、いう、ちょっと困りものの妄想と思考の扉を、ノックしてしまうのである。

 とは言っても、あまりにシュールすぎて、リアルに考えにくいとは思う。とは思うけれど、たとえば、貴社で製造している、扱っている、商品に、ある日突然、魂が宿り、その商品たちが、いま置かれている状況に対して「モノ申す」ということが起こったとしたら、どうだろう。(つづく)