はしご酒(3軒目) その四
「メガミ!」①
沖縄から帰ってきたところだという。
お仕事で、ですか、と聞いてみる。
「ん~、微妙ね」、とZさん。
なにやら尊敬する女神が、沖縄にはいて、その女神の展覧会を見に、ということらしい。
女神の展覧会、とは、いったいいかなるものなのか、興味がズンズンと湧いてくる。
琉球の地に舞い降りた天女の羽衣伝説のような、そんな感じの魅惑の羽衣羽衣した(速攻で「どんなんや~」とOくんに突っ込まれそうだけれど)展覧会に違いない、などと勝手に妄想したりする。
そんな私の妄想を掻き消すかのように、とびっきりクールに「平良敏子さんの白寿記念作品展」とZさん。しかも、お気に入りの一推しスポットでもある識名園での展覧会であったらしい。
識名園ならば、私も伺ったことがある。あの素晴らしい空間で、白寿の女神が、どのような展覧会を開催したのか、ますます高まる興味の中で、アレやコレやと思いを馳せながら、Zさんに気付かれないように、最初の妄想を大幅に修正する、私なのである。(つづく)