ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.175

はしご酒(3軒目) その四

「メガミ!」①

 沖縄から帰ってきたところだという。

 お仕事で、ですか、と聞いてみる。

 「ん~、微妙ね」、とZさん。

 なにやら尊敬する女神が沖縄にはいて、その女神の展覧会を見に、ということらしい。

 女神、か~。

 女神の展覧会、とは、いったい、いかなるものなのか。興味の芽が土を押し退けて、ポコッと。

 女神の展覧会。

 琉球の地に舞い降りた天女の羽衣伝説のような、妖艶で、魅惑まみれの羽衣羽衣した(速攻で「どんなんや~」とOくんに突っ込まれそうだけれど)展覧会に違いない、などと、勝手に妄想したりする。

 そう、妖艶で、魅惑まみれの、羽衣羽衣した展覧会。

 そんな私の妄想を掻き消すかのように、Zさん、とびっきりクールに「平良敏子さんの白寿記念作品展」、と。しかも、お気に入りの一推しスポットでもある識名園での展覧会であったらしい。

 平良敏子

 白寿?

 識名園

 識名園なら、私も、伺ったことがある。あの素晴らしい空間で、白寿の、白寿の女神が、どのような展覧会を開催したのか。土を押し退けて、本格的に芽吹き始めた興味の中で、とりあえず、Zさんに気付かれないように、コッソリと、最初の妄想は大幅に修正しつつ、アレやコレやと思いを馳せる私なのである。(つづく)