ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.168

はしご酒(2軒目) その七十

「ブレル!」

 アレもコレも、ソコもカシコも、という、その気持ち、わからないわけではない。わからないわけではないけれど、どうにかしなければならないコトをガチでどうにかしようとするなら、ココはやっぱり、脇目も触れず、一点突破で邁進しなければならない。そうでなければ、結局、アレもコレもソコもカシコも、ナニもカも、丸っと解決しないままズルズルと、と、いうことになってしまう。にもかかわらず、たいていは、ブレる。とにかく、ブレる。悲しいぐらいに、ブレまくる。

 たとえば、深刻な環境問題として注目される、され続けている、プラスチック。

 未だに、平気で、海に、ガンガンと投棄されている、と、いう。その、ナンともカンともな地球規模の意識の低さに愕然とするが、そうしたことのその前に、本気で、世界中のシモジモじゃないエライ人たちが、その英知を結集させて取り組んでさえいれば、とうの昔に、プラスチックの代替として、プラスチックのようなモノどころではない、プラスチックを遥かに超えた、強度と可塑性と、更には、自然由来の地球への優しさ、どころか、まるで地球そのもののような、そんなアースな新素材、愛の「プ・ラブ・スチック(仮称)」が誕生していたに違いない、と、(人類に対する期待を込めて)私は思っている。

 そう、プラスチック、ならぬ、プ・ラブ・スチック。

 仮に、誰も海に投棄などしなくなったとしても、仮に、どの家庭もキッチリと分別回収をすることができるようになったとしても、(もちろん、しないよりはしたほうが良いのだけれど)回り回って最終的にはこの地球のどこかに、プラスチックは廃棄されるのでは、という思いが、私の中にはある。だからこその、それゆえの、プ・ラブ・スチックなのである。

 残念ながら、地球の危機(というか、人類の危機だな)は、大袈裟ではなく、もうソコまで来ている。ソレは、プラスチック絡みの問題に限ったことではない。もし、その危機たちを真剣に考える気があるのであれば、もうそろそろ、いい加減、アレやコレやの枝葉なんぞには目もくれず、ブレることなく肝心要のその幹に、世界の英知を結集してはいかがか。

 そう、世界の英知の、本気の結集。

 「そんな子どもじみた夢ものがたり、できるわけないじゃないか」などと呑気に宣っているうちに、おそらく、近い未来に向けて、今、問われている、危惧されている、警鐘を鳴らされまくっている、様々な地球上の人類にとっての危機たちは、なに一つ、解決などしないまま、ズルズルと、ズルズルと、ズルズルと・・・。(つづく)