はしご酒(2軒目) その二十九
「コノチガイ ハ オオチガイ」②
「小学校の卒業式に袴(ハカマ)を着たい」
おもわず、TV画面に向かってガッツポーズをとってしまった、らしい。
この子どもたちの思いに、関係諸氏の喜びもまた、相当なものであったのではないか、と推測される。まさに、着物の、袴の、復権、捲土重来。そして、未来への希望、が、ジワジワっと膨らんでいくのを感じていたはずである。
にもかかわらず、そんな「よしよしよし!」ムードに激震が走った、というのだ。
突っ込みどころなど微塵もあろうはずがない、と思っていた、とZさん。私も、Zさんから、その話を聞くまでは、想像すらできなかった。
ところがどっこい、そうは問屋が卸さないところが、ワンダーランド、ニッポン、チャチャチャ、ワチャワチャワチャ、なのである。
華美になる?
貧富の差の助長?
そんなこんなで、素直に喜ぶわけにはいかない、受け入れられない、できればやめていただきたい、というのだ。いわゆる「短絡的」とは、こういうことなのだろうな、と、あらためて、つくづく実感することとなる。
前向きな次の一手を考えない、考えようともしない、この国は、一対全体、なんなのだろう。私のこの国に対する「ワンダーランド、ワチャワチャワチャ」感は、とどまることなく、グングンとイヤな膨張の仕方をする。(つづく)