ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.123

はしご酒(2軒目) その二十五

「イノチ イノイチバン」

 そんな、巨大な虚像モンスターたちによる正義の戦い、聖戦。

 聖戦?

 そう、聖戦。

 正義を勝ち取るために戦う、のだと宣う。

 太古から、そう宣いながら、ズ~っと戦い続けてきたのだ、人類は。

 その聖戦とやらで、あの人たちが宣う「正義」は、あと、どれほど戦い続ければ手に入るのだろう。悲しいかな、残念ながら、待てど暮らせど、一向に、この地球上の戦いは終焉を迎えそうにない。

 私は、一人ひとりの「命」を軽んじている限り、そんな日は、永遠に訪れない、と、思っている。一般ピーポーたち、一人ひとりの大切な「命」を粗末に扱って、ナニが、ドコが、聖戦か、正義か、と、問いたいぐらいだ。

 「命、イノチ。それって、いの一番、イノイチバン、が、語源なんかもしれまへんな~。よ~似てるし」、とOくん。

 いの一番が、語源?

 命、イノチ、イノチ一番、いの一番、か~。

 さすがに、ソレは、絶対に違うと確信をもって断言することができる。けれど、その確信とは裏腹に、そうであってもいい、そうであってほしい、そうであるべきだ、いや、そうでなきゃ、ダメだ、という思いもまた、私の中で、猛烈に、ドックンドックンと湧きあがってくる。

 そう。ナニはなくとも、命、いの一番!

(つづく)