はしご酒(2軒目) その十四
「ミワク ノ ダイナマイト センベロ シティー」①
私は、レンコンが好きだ。
こうして、ようやく目の前にたどり着いたレンコンのきんぴらを摘(ツ)まむことで、その思いは、さらに強固なものとなる。
そんなことを思いながらニンマリしていると、「レアものの泡盛の古酒がありますけど」とお兄さん。Oくんは、瞳をキラリキラリと目一杯に輝かせながら「それ、ちょうだい」と、反応が速い。「そちらさんは、どうされます?」と尋ねられた私は、「泡盛だけが、どうしても苦手なんですよね~、というか、呑み方を知らないというか」と、低いトーンで、ユルリと遠慮させていただいた。
残念ながら、泡盛は、たしかに苦手ではあるのだけれど、その泡盛の生みの親である「沖縄」は、マジで好きなのだ。
様々な顔をもつ沖縄、そのひとつひとつが興味深い。
街中をプラプラと歩くだけで、そして、ウチナーンチュたちの語らいをフムフムと聞いているだけで、あるいは、ソーキそばをズルズルとすするだけで、心豊かに黄昏てしまう。そんな感じが、私にとっての沖縄なのである。(つづく)