ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.106

はしご酒(2軒目) その八

「ショク ヘノ コダワリ ハ アイ」②

 南イタリアシチリアタオルミーナで、その思いは確信に近づく。

 たまたま入った(賑やかなDuomo前広場から少し離れた路地の)ピッツェリア、時間的に早すぎたのか、少し時間がかかるけれどいいか?、と言われた。少し年配のお姉さんオススメの地元野菜のナスが抜群に美味しいカポナータやらをいただきながら、そのお姉さんやお兄さんと、あれやこれやの雑談を、カタコトのイタリア語と英語(と、全く通じてはいないであろう日本語も大量に交えて)で楽しみつつ、ピッツァの出来上がりを待つ。

 粉からですよ、粉から、粉からなんです。見ているだけで楽しくなってくる。そう、蕎麦屋蕎麦屋なんだ、と妙に納得したりしていた、ことを思い出す。挽きたて、打ちたて、茹でたて、の三たてならぬ、こねたて、(ちょっと寝かせて)伸ばしたて、焼きたて、の、少し厚みのある三たてピッツァは、ホントに、ホントにブオニッシモ!、であったな~。

 「地元」に根ざした「食」に、「人」が絡み、「愛」が満ち溢れていく、そんなべラボ~に贅沢な、空間であり、時間であったのである。

 若ゴボウの炒め煮をアテに、そんな私の「食」にまつわる思い出話に耳を傾けつつ、静かに奈良の地酒をチビチビとやっていたOくん、(またまた)突然、「べラボ~って、イタリア語でおまっか?」。(つづく)