はしご酒(2軒目) その六
「ヒト ノ ミリョク ガ ミリョク」①
結局、つまるところ、国の魅力は「人(ヒト)」なのだ、と、つくづく思う。
四季が、風土が、人をつくる。そして、その、人、が、村をつくり、街をつくり、国をつくる。
人あってこその国。それが、本来の、あるべき魅力的な国の姿である、と、私は信じている。
そんな話を、なんとなくしていると、Oくん、「ホンマやな~、で、そんな中でも、やっぱり、ヤングマンやな、ヤングマン。ヤングマンにかかってるで~この国は」、と。
「西城秀樹か!」、と、一瞬ツッコミを入れてみたくもなったのだけれど、ヤヤこしいことになりそうなので、無難にサラッと聞き流す。すると、Oくん、さらに、「ヤングマンたちが、バワフルにやな~、個性やら発想やら創造力やら熱意やらを発揮しまくれるような、そんなアシストっちゅうやつを、政府にも行政にも期待してんねんけどな~」、と。
う~ん、どうだろう。
Oくんが期待する政府やら行政やらのことはさておき、そこかしこの様々な分野において、エネルギッシュに熱く燃え、光り輝く若者たちを見かけることは、たしかにある。そんな若者たちが、コツコツと村をつくり、街をつくり、ジワジワとこの国をつくっていくのだな~、きっと。と、いう思い、私の中にもある。
そんな「人の魅力が、ヤングマンのパワーが、国をつくる」理論に背を向けて、自治体によっては、行政が自ら音頭をとって、その場しのぎの外国人観光客だのみの、外国人観光客に合わせた街づくり(?)、に、全力を尽くそうと決意も新たにされているトコロもあったりするようだ。申し訳ないが、おそらく、悲しい結末しか待っていないような気がする。ハナから外国人観光客を、好都合な「カネヅル」としてしか捉えられないようなその失礼な発想自体、に、明るい未来を引き寄せるような力があるとは、到底、思えないのである。
にもかかわらず、露骨なまでの「観光」=「カネ」、みたいな、そんなインバウンド狙いの愚策に、バカみたいにウツツを抜かしてしまいがちな政府にも行政にも、私は、どうしても期待することができない。(つづく)